動画は、視聴者に見てもらうものです。
そのため、動画を作るうえでは、必ず守らなければならないルールがあり、最低限、次の2点は死守する必要があります。
①見るに堪える動画であること
②不快感を与えない動画であること
もちろん、テレビほどのクオリティは当然いりません(し、そんなの無理です)。
しかし、見ていて不快に感じるようでは、チャンネル登録や別の動画を見てもらうことはおろか、その動画を最後まで見てもらうことすらできません。
Youtubeにおいては、良くも悪くも、次の動画がすぐに見つかります。
Youtube視聴者の多くは、ある動画を再生することについて、吟味していない場合が多いでしょう。
つまり、映画を見る場合には、今日は何を見ようかと選び、一度選んだ作品は、基本的には最後まで見ることになるはずです。
しかし、Youtubeの場合には、サムネイルとタイトルを見て、なんとなくい目についたものをいったん再生し、つまらないと感じたら、次の動画に行く、といった行動をする者が相当数いるはずです。
見ていて疲れを感じたら、すぐに飛ばされてしまうことを肝に銘じましょう。
今回は、撮影のうち、「映像」に焦点を当てて基本事項を説明しています。
- 1. 横向きで撮る
- 2. HD画質で撮る
- 3. ズームを使わない
- 4. 被写体を適切に映す
- 5. 不必要なものを写さない
- 6. 「色」を意識する
- 7. できる限り三脚を使う
- 8. 明るさを確保する
- 9. 身だしなみに気を付ける
1. 横向きで撮る
まず、Youtubeの場合、動画の基本が「横向き」であることを理解しましょう。
スマホでの撮影に慣れてしまっていると、あまり考えずに縦向きの撮影をしてしまいがちですが、この点は必須かと思います。
もちろん、TikTokでの投稿は、縦撮りが基本ですし、また、作品としてあえて縦にするということはあり得るかと思います。
しかし、まずは基本として、「横向き」であることをおさえましょう。
なお、一般的には横長の動画で、縦横比(これをアスペクト比といいます。)は16対9がベストです。
もっとも、基本的には、スマートフォンやデジタルカメラの一般的な設定、初期設定でよいと思います。
2. HD画質で撮る
次に、画質です。
YouTubeを見たことがある人はわかるかと思いますが、映像の画質が悪いと、見る気が失われてしまいます。
Youtubeの視聴者は、多くの場合、スマートフォンやパソコンで視聴することを考えると、過度にこだわり過ぎる必要はないとは思います。
しかし、スマホやパソコンで再生したときに、はっきり見える程度は確保する必要があります。
最近のスマートフォンは、基本的にHD画質で撮影ができますし、その他の機材を使うときでも、HD画質を確保するのは容易かと思いますので、一つの目安として、HD画質としてみるとよいでしょう。
もっとも、この点も、不愉快な画質とならなければいいわけですから、自分でスマートフォンやパソコンで再生してみて、違和感がない範囲であれば、問題ないと思います。
3. ズームを使わない
カメラにはズーム機能が付いています。
ズームの種類によっては、画質が悪くりますし、また、手振れが生じやすくなります。
画質が悪くならないズーム機能もありますし、このようなズーム機能はプロでも使うことはあります。
しかしながら、ズームは意外と高等テクニックで、簡単に素人っぽい映像になりさがってしまいます。
なので、まずはカメラを近づけることが基本であることをおさえるようにしましょう。
4. 被写体を適切に映す
動画・映像は、被写体を、視聴者に見せるものです。
自分を映す場合は、自分ですし、何かものや風景を映す場合には、その物や風景のことを指します。
①映像として見せたいものが、適切に枠の中に納まっていること
②映像として見せたいものに、ピントがあっていること
この二点は絶対に守りましょう。
× 人がしゃべっている動画なのに、やたら遠い
× 顔の一部が画面の外
× 顔がアップすぎる
× 被写体にピントが合っていない
上記のような動画は、見にくい動画、見ていて不快な動画に分類できると思います。
少なくとも見ていて違和感を感じないような「自然な動画」ではないでしょう。
まずは人の動画を見て、真似てみるのが良いと思います。
この点を深く掘り下げる記事は追って掲載する予定ですが、ヒントとして二つ示しておきます。
①カメラのレンズは、視聴者の目であるということ
②被写体を真ん中に写すと、素人っぽい映像となること
まずは、①ですが、被写体の目線より高い位置から撮影すれば、視聴者は、被写体が話しているのを、上から眺めることになりますし、低い位置から撮影すれば、視聴者は、被写体が話しているのを低い位置から眺めることになります。
あえてそのような演出をするような場合はあるでしょうが、まずは基本である同じ目線を意識してみましょう。
次に②についてですが、素人の映像は、被写体を中央に置きたがります。
例えば、人が話している映像を撮るときには、人の顔が画面の中央に来てしまっています。
しかし、テレビ番組等を見てもらえばわかりますが、プロの映像はそうなっていません。
画面を2分割したときに、下から3分の2くらいの位置に目線が来るようにしてみてください。
これだけで、ぐっと見やすい映像になると思います。
5. 不必要なものを写さない
背景にはこだわりましょう。
部屋の中であれば、椅子が少しだけ見切れている(はみ出して見えてしまっている)とか、使い古しのティッシュやコップなどが置かれている、などです。
背景を綺麗にするということを意識するだけで、ぐっと見やすい映像になるでしょう。
外での撮影であれば、ある程度難しいところはあるかもしれませんが、車のボンネットが少し見えているのであれば、位置を変えてそれを映らないようにするとか、背景の花が少ししか見えていないなら、しっかり移るようにしてみるとか、そういった具合です。
要するに、背景として何をうつして何を写さないのかを、しっかり考える癖をつけましょう、ということです。
6. 「色」を意識する
「見栄え」は、飽きさせないためにも、興味を引くためにも重要です。
また、上記の5と被りますが、背景は、動画全体の印象を左右します。
ただの白い壁に、地味なソファを並べて撮影するのと、派手なソファにぬいぐるみを並べて撮影するのでは、大きな違いがあると思います。
例えば、ヒカキンさんのこちらの動画(動画①)では、派手なソファに座り、たくさんの小物を置いています。これに対して、ヒカキンさんのこちらの動画(動画②)では、スーツに白背景にしています。
このように、印象が全然変わってきます。動画①は、華やかな印象を与え、楽しい感じを演出しているのに対し、動画②は、真面目な印象を与え、厳格さを演出しています。
動画の内容に合わせて、「背景色」を意識してみましょう。
また、登場人物の「色」、つまり洋服の色も意識すると良いでしょう。
洋服の色は、背景色と違う色のほうが、登場人物が際立つでしょうし、動画の見栄えもよくなります。
洋服の色については、動画の印象という意味でもそうですが、何人かが登場する動画では、登場人物ごとに服装の色を変えるべきかと思います。
初めてあなたの動画を見る人は、あなたのことを知りません。そのため、似ている人物が二人出てくると、誰が誰だかわからなくなる可能性があります。
そうなれば、覚えてもらえないうえ、見ていてつまらなくなる可能性すらあります。
身内内では似ていないと思っていても、初見の人から見ると見分けがつかない、つきにくい場合はよくあります。その人物を動画を通して初めて見る人にとってはなおさら見分けがつきにくいことを覚えておきましょう。
7. できる限り三脚を使う
手振れは映像作品にとって、大敵です。
最悪の場合には、映像酔いしてしまい、もはや見るに堪えない映像になってしまいます。
そうでない場合でも、気持ちの良いものではありませんので、できる限り手振れはしないようにしましょう。
最近のカメラは、手振れ補正がかなり良くなってきています。
しかしそれは、あくまでもカメラがぶれている場面で、そのぶれを軽減する、という話です。
カメラを固定して話せばよいようなときに、軽度な手振れが発生してしまうと、映像作品のクオリティはぐっと落ちてしまいます。
固定で撮れるときは固定で撮る、そうでない場合も、できる限り手振れしない工夫をするようにしましょう。
8. 明るさを確保する
程度にもよりますが、「被写体が暗い」のは、見るに堪えないような動画との評価を受けやすいと思います。
なので、まずは、被写体にしっかり光が当たっていることを確保しましょう。
室内であれば、照明をつけ、屋外であれば、明るいうちに撮影することを心がけましょう。
また、同じ理由ですが、逆光にならないよう、気をつけましょう。
9. 身だしなみに気を付ける
まずは視聴者に不快感を与えないという意味で、身だしなみを整えるというのは最低限必要です。
あえて「汚い服装」路線でいく、というように戦略的な場合でない限り、身だしなみは整えましょう。
そして、動画内に複数人が登場する場合は、個性の出し方にも気を付けてみましょう。
体形、体格、身長、性別、メガネの有無、髪色、服の色、声色等が、違えば違うほど、初見の人からも見分けがつきやすくなります。
如何でしたでしょうか。
いずれも当然のことかもしれませんが、少し意識して撮影してみるだけで、映像の質はぐっと変わってくると思います。
人の作品を見て、良いところは積極的に真似し、悪いところは気を付けるようにしてみてください。
今までなんとなく見ていたテレビ番組も、カメラワークなどに着目してみてみると、そのすごさに気が付かされるかもしれません。
また、これさえ守れば大丈夫!基本の撮影テクニック5選 音声編もぜひ参考にしてみてください。