基本テクニック映像編の続編で、今回は音声編です。
まずは復習として、動画を作るうえでは、必ず守らなければならないルールを見ておきましょう。
①見るに堪える動画であること
②不快感を与えない動画であること
上記の二つは、音声についても同様です。
聞き取れない音声や、不快感を感じる音声は、すぐに飛ばされてしまいます。
そこで、音声に関する基本テクニックを押さえておきましょう。
1. はっきりと話す
動画は、目で見て、耳で聞く作品です。
そのため、出演者の話声は、当然、極めて重要な要素です。
せっかくいいことを話していても、聞こえなかったら意味がないですし、聞き取りにくいとみていて疲れてしまいます。
また、Youtubeの動画を再生するとき、「サムネイルとタイトルが目に入り、なんとなく気になったから、いったん再生してみた」程度の興味関心の視聴者はかなり多いと思います。
そういったときに、頑張らないと聞き取れないような動画は、簡単に再生を中断されてしまいます。
「思わず聞き入ってしまう動画」を作るためにはまず、はっきりと、聞き取りやすいように話すように気を付けてみましょう。
2. 聞いていて心地のよいように話す
不快に感じてしまう話し方は避ける必要があります。
自然に話す
まずは、「できる限り自然に話す」必要があります。
最初のうちは、緊張もあり、なかなかカメラに向かって一人で話すのは難しいでしょう。
そのため、この点については、最初から意識はしつつ、徐々になれていくのが良いかと思います。
また、この点に関連して、最近グループのYouTuberで伸びている人が多いなと感じます。
この理由の一つとして、友人同士やグループで撮影することで、それぞれの人間性を引き出せたり、また、より自然な会話を撮影しやすいことがあるのではないか、と思います。
動画の種類にもよりますが、演者のトークを中心とする動画については、その人がどのような人なのか、が伝わる動画ほど魅力的な動画になりやすいと思います。
カメラの前でより自然に話すためにどのようにすればよいのか、いろいろと工夫してみるとよいでしょう。
「えー」、「あー」などを避ける
誰でも話す癖があり、それを無意識にやってしまいがちです。
しかし、映像としてみたときに、その癖が視聴者に不快感を与える可能性は十分あります。
ぜひ一度、あまり再生数が伸びていない動画を見てみてください。おそらく、「あー」とか、「えー」とか、そういった部分がそのまま残ってしまっている映像が結構あると思いますし、それを見たときに「見にくいな」と感じると思います。
もっとも、これは、編集でもなんとかできる部分ですので、編集の手間を省くためにまずは話すときに注意し、それでも言ってしまった場合は、編集でカットするようにしましょう。
テンポをよくする
不要な間を削り、抑揚をつけ、話のテンポよくする工夫をしましょう。もっとも、これも編集でなんとかなります。
というより、編集でなんとかしている場合がかなり多いと思います。
有名Youtuberの動画をいくつか見てみて下さい。
テンポよく話しているようで、注意深く見てみると、一言一言、映像が切り貼りされていることに気が付きます。
Youtuberに限らず、テレビでもそうだったりします。収録の番組と生放送の番組で、テンポ感が違う理由の一つはここにあるかと思います。
3. わかりやすく話す
動画を作る人と、動画を見る人では、認識している内容も、知識のレベルも違います。
簡潔に、わかりやすく内容を伝えるためには、何を、どの順番で説明するのがよいのかを、しっかり整理する必要があります。
そのためには、まずは話す内容を整理し、わかりやすく伝えるための構成を考えてみるとよいでしょう。
原稿まで書くのは大変ですし、なにより原稿を読み上げると、言葉が死んでしまい、自然に話せなくなってしまいますので、あくまでも、何をどの順番ではなすのか、といった程度でよいと思います。
4. 風切り音をできる限り避ける
風切音は、大変不快です。
風切音というのは、マイクに直接風が当たることで発生する騒音のことで、屋内であれば、扇風機をマイクに向けたり、話すときにやたらマイクと口が近い、などといった場合でなければ発生しないかと思います。
これに対して、屋外だと結構発生します。
風がない日に撮影する
風があたらない場所を選ぶ
場合によっては思い切って音声を別で入れる
など、屋外では、風切音が入らいないようにする工夫をするべきです。
5. 騒音を避ける
そして、騒音も避けましょう。
犬の鳴き声や、救急車の音、トラックの通過音など、いろいろありますが、これらが入っていると、肝心の話声が聞き取りにくくなったり、視聴者の集中がそがれてしまいます。
テレビ番組や、有名YouTuberの動画などを見ていると、救急車の音が入ったり、チャイムの音が入り込んだ時に、間の悪さを笑いに変えるなど、あえてそれに言及し、本編に取り入れる工夫をしています。
そうでなければ、基本的にカットすべきです。
また、同じ理由で、BGMの挿入についても気を付けてください。
BGMを良かれと思って挿入したけれど、再生してみると、BGMがうるさくて話し声が聞き取りにくい、なんてこともあります。
以上、如何でしたでしょうか。
上記に書いたことを守るだけでも、正直、かなりのクオリティの作品ができると思います。
もちろん、いきなり全部守ることは難しいかもしれません。
ただ、これを意識するのとしないのでは、雲泥の差になるはずです。
例えば、風切り音が入ってしまった場合でも、「撮りなおしがきかないし、内容を伝えるうえであえてその音声を使いたい」ということであれば、
・テロップに注意書きを入れて、必要最低限の部分だけ作品に盛り込む
・音声を入れなおしたバージョンとは別に、風切音入りの動画を注意書き付きで別の動画として出してみる
など、視聴者目線踏まえた工夫をすれば、視聴者は離れないと思います。
これに対して、どの動画を見ても、何の断りもなく風切り音が入っていて、改善しようとすらしていないと、チャンネル全体のイメージが悪くなったりするでしょう。
要は、出演者の人柄で魅せるにしても、話す内容で魅せるにしても、基本はあくまでも「映像作品」であって、見やすくするための工夫が必要であることを忘れないようにしてください。
映像編も含め、ぜひ実践してみてください。