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YouTube動画編集を外注するという選択肢。メリットとデメリットを徹底分析!

YouTuberは、以下の4つの工程の繰り返しです。

 

① 企画立案

② 撮影

③ 編集

④ 投稿

 

動画投稿を始めてみるとわかりますが、それぞれの工程が結構重たい作業です。

 

特に、編集はこだわればこだわるほど、企画が複雑になればなるほど、時間のかかる大変な作業になってきます。

 

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そこで今回は、「編集を外注する」という選択肢について、検討してみます。

 

 

編集の外注とは?

編集の外注とは、自分で撮影した映像を、編集代行者(編集代行業者)に編集してもらうことを言います。

 

映像の制作や、編集を請け負う業者は、古くから存在していますが、基本的には個人を対象としたものではなく、個人が利用するには少々ハードルが高いものでした。

 

ところがここ最近、YouTuberの増加に伴って、YouTuber向けの編集代行を行う個人の方が急増しており、価格帯も手の届く範囲のものも数多く登場してきています。

 

そこで今回は、編集の外注について、その目的やメリット、デメリットについて、検討してみたいと思います。

 

 

外注の目的とメリット

 

一口に「外注」と言っても、様々な目的やメリットが考えられます。

 

勉強のための外注

 

動画の素材をどのように編集するかで、動画の面白さ、質は大きく変わります

 

私は学生時代に、自分で編集した動画を、プロの方に再編集していただいた経験がありますが、編集の違いだけで動画の印象がこうも変わるのかと驚いたのを覚えています。

 

駆け出しのYouTuberの方などは、編集が不慣れである場合も多く、せっかくいい動画の素材を持っているのに、編集で動画の良さを発揮しきれない場合があると思います。

 

その一方で、実際に手元にある動画をどのように編集すればもっと良くなるのか、どのくらい良くなるのか、ということを知る機会はなかなかありません。

 

そこで、編集を外注し、自分で編集した動画と比べることで、素材のポテンシャルを知り、また、編集技術を学ぶことができます

 

効率化のための外注

 

一人や少人数で活動しているYouTuberは、その可処分時間はかなり限られています。

 

そして、動画編集の占める時間は結構大きなものになりがちです。

 

そこで、動画編集を外注することで、作業を効率化することができます。

 

時間に余裕ができれば、企画の質を上げたり、空いた時間でもう一本撮ったり、よりこだわった映像にするための撮影に時間を費やすことができるため、動画の質を向上させたり、投稿頻度を上げることができます

 

また、編集をため込んでしまい、最終的に挫折してしまう、といった事態を防止する効果もあります。

 

動画のクオリティをあげるための外注

 

編集については、最低限のスキルはすぐに身につきますし、編集の基本を押さえることで、撮影のスキルが向上するという側面もあるため、基本的な編集については、まずは自分自身で習得するというのは、コストパフォーマンスを考えても最良の選択肢と言えます。

 

その一方で、基本的な領域を超えた「ハイレベルな編集」が必要な動画なども出てくるかもしれません。

 

例えば、

 

・凝ったテロップや、凝った合成、CG加工などの専門知識を要するもの

・長編の動画であり、より高い編集スキルが要請される場合

・ルール説明や作りが複雑で、わかりやすい編集に時間や技術を要する場合

・チャンネルの目玉となるような大切な動画

 

などです。

 

こういった動画の場合、動画のクオリティをあげるために編集を外注するということが考えられます。

 

節約のための外注

 

高価で特殊な機材やソフトが必要となる編集をしたいが、その機材やソフトを持っていない場合などは、それらを自前でそろえるより、外注してしまったほうが安い場合もあります。 

 

例えば、

 

・大量に動画を編集する

・かなりの長編の動画を編集する

・4K動画やVR動画など特殊な動画を取り扱う

・CG加工や合成処理をする

 

などが挙げられます。

 

また、売れっ子YouTuberや、もともと稼ぎが多い人の場合は、自分で編集するより、外注してしまったほうが、コストパフォーマンスが良い場合もあるでしょう。

 

外注のデメリット

編集の外注には、デメリットもあります。

 

お金がかかる

 

やはりまずはお金がかかる、という点でしょう。

 

動画の時間や編集の複雑さなどによっても変わりますが、安くても1本3000円~5000円はかかるようです。

 

毎日投稿する場合には、編集だけで月9万円~15万円程度かかることになります。

 

自身の資金繰り、動画投稿での収益状況などを考慮して、外注するかどうかを検討しましょう。

 

例えば、3本に1本の割合で編集を外注するなど、部分的な外注もありかと思います。これだけでも編集の負担は大分軽減されると思いますし、予算もある程度削ることができます。

 

編集の質にムラがある

 

完成品の品質は、企業に依頼する場合には担当者のスキルに、個人に依頼する場合にはその人のスキルに、依存することになります。

 

実際に依頼し、納品されるまで、完成品の品質はわかりません

 

初めて依頼する相手については、

 

・経歴(経験年数、本数、職歴)

・編集した作品(サンプル)の確認

・得意とする動画の種類の確認

・過去の評価・評判(評価システムの整っているココナラなどの大手サイトのみ)

 

などの方法により、出来る限りの確認をしたほうがよいでしょう。

 

継続的に依頼する場合は、まずは単発で依頼し、気に入った場合に継続的に依頼するような形が良いでしょう。

 

データのやり取りに手間がかかる

 

編集を依頼するためには当然、素材となる動画を送らなければなりません。

 

依頼する量によっては、かえって手間に感じる場合もあるかもしれません。

 

編集スキルが上がらない

 

編集をすべて外注すると、編集スキルは上がりません。

 

編集は、映像を何度も見てつなぎ合わせていきます。そのため、編集していると、こう撮影すればもっと良かったと気が付いたり、うまく繋がる映像と繋がらない映像がわかったり、編集しやすい話し方に気が付いたり、撮影に役立つ知恵がどんどん身についていきます。

 

編集スキルが上達すると、撮影の段階から、完成品をイメージした構成ができるようになり、完全に編集を外注してしまうと、こうした感覚が得られなくなる可能性があります。

 

スピードに限界がある

 

自分で撮影する場合、撮影から動画のアップロードまでの時間を自由にコントロールすることができます。

 

例えば、直ちに動画をあげたい!と思った場合に、編集を最低限に留め、撮影からアップロードまで5分、10分でこなしてしまうことも可能です。

 

これに対して、外注する場合には、納品までにある程度の時間を要することになります。

 

サービス内容に注意する必要がある

 

各編集代行サービスは、一定のサービスに対して、一定の金額が設定されています。

 

・カット編集は行うけれど、テロップ挿入はしない

・テロップ挿入のみ

・合成処理込み

・10分以内の動画のみ

 

など、さまざまな条件があります。

 

そのため、編集代行サービスを利用する際は、金額のみを比べるのではなく、どのようなサービス内容なのかを確認したうえで依頼する必要があり、最初のうちは少々手間かもしれません。

 

プライバシー問題・情報漏洩の危険性

 

動画編集を依頼する際は、編集代行者に、動画の素材を送ることになり、編集代行者に対してプライバシー情報を渡してしまうことになる場合があり、また、編集代行者から情報が漏洩する危険もあります。

 

多くの素材は公開を前提にして撮影しているものでしょうが、

 

・編集で、効果音等で音を消すことを想定して、動画に固有名詞での暴露話等が映り込んでいる場合

・モザイク処理することを想定して、自宅の場所等のプライベートな情報や、着替えシーンなどが映り込んでいる場合

・公開を前提としているが、企業案件など、一定の時期まで公開してはいけない情報が映り込んでいる場合

 

など、公開することが想定されていない情報が含まれている場合や、一定の時期まで秘匿する必要がある情報を含む場合は要注意です。

 

編集代行者が、どのような内容の守秘義務を負っているかという点をチェックし(秘密保持義務、機密保持義務などの名称が使われることもあります。)、また個別に契約する場合はこうした義務を負わせるようにしましょう。

 

ただ、例え編集代行者が義務を負っている場合でも、漏洩の恐れはついて回りますので、秘匿性が特に高い情報などは、外注先にそのまま送付しないことも大切です。

 

また、企業案件などは、YouTuber側が秘密保持義務を負う場合もあり得ます企業との契約を確認し、そもそも外注が可能なのかという点にも注意する必要があります。

 

著作権の問題

 

編集のみを依頼した場合、基本的に完成した動画作品は、依頼者であるYouTuberに著作権が帰属することになります。

 

そのため、原則として、動画を自由に利用することが可能です。

 

しかし、契約で著作権に制限を加えることは可能であるため、契約条件を確認する必要があります。この点は別の記事にまとめる予定です。

 

作品イメージの乖離

 

映像作品は、編集によってかなりカラーが変わってきます。そのため、イメージと全く違った作品が納品されてしまう可能性があります。

 

この点は、初めて依頼する相手について、特に問題になりやすいです。

 

その人の過去の作品を見たり、得意とする分野を確認したりすることはもちろん、具体例などを交えながら動画のイメージを適切に編集代行者に伝えるようにすることで、ある程度回避することはできます。

 

しかし、低コストで依頼するような場合には、そもそも頻繁に打ち合わせすることが予定されていないことがほとんどで、イメージのすり合わせにも限界があると思っておいたほうが良いと思います。

 

この点は、納品後の修正依頼の可否・回数も確認してみるといいでしょう。

 

結局どっちがいいの?

 

結局どちらが良いかは、ケースバイケースです。

 

まずは予算を踏まえて、依頼するのが可能かどうかを検討してみましょう。

 

資金力に余裕があるのであれば、継続的に依頼することも可能になるため、上記のメリット・デメリットを踏まえて、何を重視するのかを明確にして編集代行者を探してみると良いと思います。

 

また、安定して依頼するのであれば、信頼関係のおけるパートナーを見つける必要があるでしょう。

 

これに対して、資金力に余裕がない場合は、基本的には自分自身で編集することになると思います。

 

その中でも、一部外注する余地があるのか、外注する必要があるのかについて、上記のメリット・デメリットを踏まえて検討してみると良いでしょう。

 

YouTubeをチームでやっているのかどうか、どのレベルの機材を持っているのか、編集知識がどの程度あるのか、どういった内容の動画を投稿しているのか、にもよると思います。例えば、テロップの追加だけ依頼するというのは、比較的やりやすい方法かもしれません。

 

以上、編集の外注に関する検討です。

 

外注を検討する際は、どのような目的で依頼するのか、何を依頼するのか、という点を明確にして、編集代行者を探すようにしましょう。

 

最初のうちは、トラブルに巻き込まれることを避けるためにも、大手サイトを経由して探すほうが良いかと思います。

 

外注先の探し方については、別の記事にまとめる予定です。

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