デスクワークが原因の腰や肩の痛みや、アスリートの方々の筋肉のメンテナンスの方法として、筋膜リリースが近年注目されています。筋膜リリースの手段として自宅でもできるお手軽な手段としてマッサージガン(筋膜リリースガン)が広く認知され始めています。
- 1. はじめに
- 2. opove M3 Goについて
- 3. opove M3 Goのおすすめポイント
- 4. opove M3 Goの気になるポイント
- 5. opove M3 Goに関する総評
- 6. この記事の結び
1. はじめに
opoveの広報担当の方よりご連絡をいただき、opove M3 Goというマッサージガン(筋膜リリースガン)の実機をご提供いただきました。
この記事では、筆者が1ヶ月ほど実際に使用した感想を、良い点も悪い点も含め、レビューしていきます。
なお、商品提供を受けてはおりますが、一人の消費者として、良い点・悪い点のいずれについても、ありのままの感想を述べて良いとの前提で商品の提供を受けており、記事内容のチェックなどは受けていません。商品提供を受けている点をご留意いただきつつも、マッサージガン(筋膜リリースガン)購入の参考になれば幸いです。
また、当ブログではopoveから発売されている「opove APEX」についても実機レビューしていますので、そちらも参考にしてみてください。
2. opove M3 Goについて
⑴ opove M3 Goとは?
opove M3 Goは、opoveが2022年5月頃に販売を開始したマッサージガン(筋膜リリースガン)です。
カラーはブラックとグレーの2色を展開しており、今回記事内にて掲載している写真はすべてブラックのものとなります。
opoveは、従前より、人気モデルであるopove M3 Pro、opove Apexという比較的大きめなサイズのマッサージガン・筋膜リリースガンを販売しており、opove M3 Goは、これらに続く3モデル目で、比較的コンパクトなモデルになっています。
マッサージガン(筋膜リリースガン)には、①持ち運びを重視した本体重量500g以下のコンパクト軽量モデル、②パワーを重視した本体重量1000g以上の本格モデル、③値段・サイズ・パワーの点でバランスの取れた本体重量500g〜1000g程度のミドルレンジのモデルの大きく3つのタイプがあります。
opoveの従前のモデルは、いずれも1㎏以上あり、大型な本格モデルでしたが、opove M3 Goは、本体重量640gであり、ミドルレンジのモデルに該当します。
ミドルレンジのモデルとしては、HYPER VOLTシリーズのHYPER VOLT GO(618g)や創通メディカルのMYTREX REBIVE(680g)などがあります。これらはいずれも、日本におけるマッサージガンの最も人気の高いモデルであり、他社製品と比較する際はこれらの商品との比較が参考になるでしょう。
⑵ opoveって信頼できる会社?
そもそもopove M3 Goを発売しているopoveとはどのような会社なのでしょうか。
opoveは「OPTIMIZATION」と「LOVE」を企業理念としており、ブランド名は「OPTIMIZATION」「LOVE」が由来のようです。
opoveは、2018年に中国で設立され、マッサージガンを代表とする健康家電の企画・開発・販売・アフターサービスを行う事業を展開している会社です。比較的歴史は浅いものの、5年以上の実績がある点では安心できるポイントといえるでしょう。
現在は、日本、米国、カナダ、中国、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン9ヶ国で事業展開し、香港、シンガポール、アメリカ(シアトル)に拠点があるとのことです。
opoveの広報担当の方によれば、先行して販売しているopove M3 Proについては、アメリカで累計30万台以上の出荷数を記録しているとのことであり、海外でも十分な実績があるといえるでしょう。実際に、youtubeなどを見ると、英語圏でのレビュー動画も多数あります。
このようにopoveは、マッサージガンの分野でグローバル展開し、実績も残している企業であることがわかります。
また、日本での知名度も上がってきており、注目のブランドであり、信頼に値する会社といえそうです。
なお、現在日本には拠点を置いていないとのことですが、日本語の説明書が付属しており、問い合わせ窓口も日本語で対応してくれているので、特段困ることはないのではないかと思います。opoveの広報担当の方も、日本人の方でした。
⑶ opove M3 Goのスペック
個別のスペック項目については後述しますが、opoveの公式ページや、付属の説明書によれば、opove M3 Goの基本的なスペックは以下の通りです。
商品価格(税込) | 14900円 | |
本体重量 | 640g | |
本体サイズ | 横幅 | 93㎜ |
厚み | 62㎜ | |
高さ | 147㎜ | |
振幅(ストローク) | 10㎜ | |
アタッチメント数 | 6 | |
振動段階 | 4段階 | |
振動レベル | レベル1 | 約1200回/分 |
レベル2 | 約1700回/分 | |
レベル3 | 約2300回/分 | |
レベル4 | 約2800回/分 | |
耐圧力 | 14㎏ | |
音圧 | ー | |
稼働時間 | 4~10時間 | |
充電時間 | 3.5時間 | |
充電端子 | USB-C | |
定格電源 | DC 5V/2A | |
バッテリー | 2500mAh×3本 | |
バッテリー交換 | 不可 | |
生産国 | 中国 | |
保証 | 1年間 |
音圧については、opoveに問い合わせて確認したところ、残念ながらデータはないとのことでした。
⑷ opove M3 Goの同梱物
opove M3 Goの同梱物は、以下の通りです。
同梱物 | 個数 |
M3 Go本体 | 1台 |
充電用USB-Cコード | 1本 |
アタッチメント | 6種類 |
取扱説明書 | 1冊 |
収納ケース | 1個 |
opove M3 Go本体と、先端に取り付けるアタッチメントが6種類付属しています。
充電用のケーブルは、USB-C(本体側)とUSB-A(給電側)となっており、汎用性の高い充電ケーブルです。ただ、ACアダプターは付属していないので、コンセントから充電したい場合は自分でACアダプターを用意する必要があります。
全ページ日本語の説明書が付属しており、翻訳ソフトによって翻訳されたような代物ではなく、しっかりとした日本語で記載されています。
収納ケースの中には写真のように一式が収納されています。
3. opove M3 Goのおすすめポイント
⑴ リーズナブルな価格
まずなによりも最初に挙げるべきopove M3 Goの魅力は、その価格です。
ミドルレンジのモデルとして相応の機能を備えながら、14,900円(税込)という低価格に抑えています。しかも、(記事の執筆時点ですが、)以下のアドレスから購入すれば割引も適用され、さらに安くなります。
これは、同じミドルレンジの製品であるHYPER VOLT GO(32,780円)やMYTREX REBIVE (21,780円)と比較すると、非常にリーズナブルな価格であることがわかります。
⑵ 保管・携帯に困らない自立可能でコンパクトなサイズ感
opove M3 Goは、ミドルレンジのマッサージガンであり、サイズも横幅93㎜、厚み62㎜、高さ147㎜と持ち運びもできるコンパクトな本体サイズとなっています。本体のみのサイズなので、実際に使用する際には横幅がアタッチメント分もう少し長くなります。
500mlのペットボトルと並べてもコンパクトなサイズのマッサージガンであることがよくわかります。このくらいのサイズであれば、鞄などに入れて持ち運ぶこともできるでしょう。
また、写真からわかる通り、opove M3 Goは本体が自立するため、専用ケースに収納せずに、棚や机に立てて保管しても邪魔にはなりにくいです。
日常的に使用するのであれば、専用ケースに収納せずに、すぐに手の届く範囲にコンパクトに保管できたほうがすぐに手に取って使いやすいので、大きなメリットといえます。
実際に筆者は、普段は机の上に置いて保管しており、デスクワークの合間等に使っていますが、特に机で作業する際に邪魔に感じたことはありません。
⑶ 適度な本体重量
マッサージガンを身体に押し当てると、本体先端のアタッチメント部分が高速振動しているため、身体からマッサージガンへの押し返しが生じます。本体重量が軽すぎると、身体からマッサージガンを押し返してくる力に負けて、本体が浮きやすくなります。
マッサージガン(筋膜リリースガン)は、トリガーポイントと呼ばれる痛みの原因となっているコリに重点的に押し当てると効果的であるといわれており、マッサージガンが身体からの押し返しに負けてしまうと、マッサージガンを押し当てている場所がずれやすく、力のあたり具合が分散してしまうことになり、効率が下がります。
そのため、押し返してくる力に負けないように、より強い力で押し当てる必要があります。本体重量が軽いほど、より強く押し当てる必要が生じてしまうのです。
本体重量は、軽いほど持ち運びやすく、片手で扱いやすくなりますが、一方で、軽いほど押し込むための力が必要となるわけです。
言い換えれば、重量のあるマッサージガンほど、マッサージガンを身体に押し当てる際にも安定して押し当てることができます。特に、上から押しあてる際は、本体重量分だけそのまま圧がかかるので、押し当てる際の負担はより軽減されます。
opove M3 Goの640gという重量は、特に重いわけでも、特に軽いわけでもないものの、十分に片手で扱える重量感でありながら、振動の反動に負けることもなく安定して押し当てることができるだけの重量を備えており、非常にバランスのいい重量であるといえます。
なお、本体重量は、メーカー表記では640gとなっておりますが、筆者の使用する実機についての実測値は630.7gであり、実際にはより軽くなっています。個体差含めても表記重量以内に収まるように少し余裕をもって表記されているのでしょう。
また、平形のアタッチメントを装着した状態での重量は実測654.3gでしたので、実際にマッサージガンを使用する際の重量は650g強を想定するといいでしょう。
⑷ 振動レベルの選択肢が広い
振動レベルは以下の4段階に調整でき、最大振動数2800回/分、最小振動数1200回/分となっており、最小振動数と最大振動数の差が1600回となっています。
レベル1:1200回/分
レベル2:1700回/分
レベル3:2300回/分
レベル4:2800回/分
同じミドルレンジの代表的モデルは、HYPER VOLT GOは2160回/分~3180回/分、 MYTREX REBIVEは2100回/分~3300回/分となっているので、ひとつずつ比較してみます。
① 幅の広い振動数の調整が可能
まず、opove M3 Goの大きな特徴は、最小振動数と最大振動数の幅です。この数値が1600回/分となっており、HYPER VOLT GOの1020回/分、MYTREX REBIVEの1200回/分と比較すると、より幅広い振動数を実現していることがわかります。
この振動数の選択幅は、かなり重要であると思います。使用部位によっても適した振動数は異なりますし、疲労の度合いや気分などでも異なってくるため、選択できる振動数の幅が広いことは大きなメリットといえるでしょう。
② 4段階での調整が可能
また、振動数の調整段階についても、4段階となっており十分な振動数の調整段階数といえます。多くのマッサージガンでは、3~5段階となっており、HYPER VOLT GOは、3段階、MYTREX REBIVEは5段階であり、これらと比較してもopove M3 Goの4段階は十分な振動数の調整段階数があるといえるでしょう。
③ 最大振動数2800回/分という十分な高回転の実現
そして、opove M3 Goの最大振動数は、2800回/分となっており、高回転での使用が可能です。これは、HYPER VOLT GOの3180回/分、 MYTREX REBIVEの3300回/分と比較すると、数値としてはやや劣りますが、この2機種の数字はマッサージガンの中でも最高峰に多い最大振動数を誇る機種であることに留意が必要です。MYTREX REBIVEは、MYTREX REBIVEシリーズの本格モデルである、MYTREX REBIVE PROも最大振動数は3300回/分であり、MYTREX REBIVEと同じであることから、最大振動数3300回/分という数値の高さがうかがえます。
一方で、その他のメジャーな機種の最大振動数を見てみると、HYPER VOLTシリーズの本格モデルであるHYPER VOLT 2 Pro(56,000円)は2700回/分、HYPER VOLT GOの一つ上のモデルであるHYPER VOLT 2(46,000円)は2700回/分、パワーを重視したもであるであるTheragunシリーズの最高モデルであるTheragun PRO( 69,300円) は、2400回/分となっております。
opove M3 Goの最大振動数は、2800回/分なので、最高峰とまでは言えないまでも、HYPER VOLTシリーズやTheragunシリーズの本格モデルにも勝る数値であり、十分な最大振動数であるといえるでしょう。
④ 最小振動数1200回/分という特筆すべき低回転の実現
加えて、最大の特徴は、最小振動数が1200回/分であるということです。これはHYPER VOLT GOは2160回/分、 MYTREX REBIVEは2100回/分であることと比較すると、特に低い回転数を実現しているといえます。
肩こりの強い方など、マッサージガンにパワーを求めて最大振動数の高いモデルを選ぶ方は非常に多いと思います(筆者も同様でした)。しかし、実機を使用してみた感想として、実際には逆で、最小振動数の方を重要視すべきなのではないかと思います。
つまり、振動数が高いほど「筋肉を揺らす」イメージに近くなり、振動数が低いほど「筋肉を叩く」イメージに近くなります。もちろん、マッサージガンであり、低回転であっても高速に動くため、完全に叩くイメージにはなりませんが、低めの振動数であれば、筋肉を揺らすイメージと叩くイメージの刺激が同時に得られることとなります。
上記の表現は、筆者の感じたところによるものではありますが、重要なのは「回転数は高ければ高いほど良い」「高ければ高いほどほぐしのパワーが強い」というわけではないということです。
筆者の場合は、運動後に筋肉を落ち着ける際などは高回転のほうが向いており、長時間のデスクワークなど、「こり」を感じる部分を押しほぐすように使用する場合には、低い振動数のほうが向いていると感じました。
また、高回転で深部に圧力をかけようとすると、それだけ強く押し込む必要がありますが、低回転であれば、そこまで強く押し込むことなく、深部に圧力をかけることが可能です。そのため、他人の筋肉をほぐすためにマッサージガンを使用するような場合には、力をかけやすいため、高回転でも深部に圧力をかけやすいのですが、自分自身の筋肉をほぐすような場合には、部位によっては強く押し込むことが難しく、低回転のほうが深部への圧力がかけやすい場合もあります。
筆者は、opove M3 Go以外に、MYTREX REBIVEを持っており、使用しています。MYTREX REBIVEは、3300回/分という高回転に魅力を感じて購入したのですが、高回転と低回転を使い分けながらも、2100回/分の設定にして使用することが多くなりました。こちらは購入時に実機も試したのですが、実際に使用を続けると、より楽にこりをほぐす、という点により重要性を感じ、低回転での使用がかなり多くなるに至りました。opove M3 Goを使用する際も同様で、低回転での使用が多いです。
⑸ 振動が深くまで届く「振幅」
振幅はマッサージガン(筋膜リリースガン)の先端部分の振動幅を表します。
この振幅の幅が広いほど、筋肉の深い部分まで振動が届くとされています。そのため、しっかり筋肉をほぐしたい場合は、振幅が大きいマッサージガンを選ぶとよいでしょう。
一方で、振幅の幅が広いほど「叩き」感も強くなるため、必要以上に振幅が大きすぎると、筋肉を揺らすイメージの刺激が得られにくくなります。そのため、自身の筋肉量や運動量等とも相談する必要があります。
アスリートや日常的にハードな筋力トレーニングをするような方はともかく、デスクワークでの体の不調や、軽度の運動しかしないような方は、振幅10㎜以下を目安とするといいでしょう。一般的に、初心者の方や筋肉量があまり多くない方は6㎜から8㎜程度を目安とし、強めの刺激が欲しい方は10㎜程度、より刺激の欲しい方や、筋肉量の特に多い方は、さらに振幅の大きい本格的なタイプのマッサージガンを選ぶとよいとされています。
opove M3 Goの振幅は10㎜なので、コンパクトなサイズのマッサージガンとしては強めです。本体サイズはコンパクトに抑えつつ、ある程度しっかりほぐしたい方にはおすすめです。
10㎜でも十分すぎるくらい振動は伝わってくるので、アスリートやハードなトレーニングをするようなかなり筋肉質な方でなければ、これより大きな振幅は必要ないかと思います。
HYPER VOLT GOの振幅は10㎜、MYTREX REBIVEの振幅は8㎜となっています。
⑹ 長い稼働時間
稼働時間は4~10時間と長めの時間となっています。
この時間は振動レベルや加圧の程度等によって変わってくるとのことですが、最低でも4時間となっており、この時間は代表的なマッサージガンであるHYPER VOLTシリーズの一つであるHYPER VOLT GOの稼働時間である2.5時間と比較しても長いです。
稼働時間に4~10時間の幅があるのは、振動レベルと加圧の程度などによって変動があるためです。
稼働時間についてopoveに問い合わせて確認したところ、同一レベルのみで使用した際の稼働時間は概ね下記のようになるとのことでした。
レベル1のみ:10時間
レベル2のみ:8時間
レベル3のみ:6時間
レベル4のみ:4時間
なお、すべてのマッサージガンに共通する点ですが、加圧等によって稼働時間は変動があるため、あくまでも目安です。
⑺ 汎用性の高い充電端子
充電端子はUSB-C(本体側)とUSB-A(給電側)を採用しており、ACアダプターのみならず、PC等のUSBポートからでも充電が可能となっています。
ただし、ACアダプターは同梱されていないため、コンセントから充電したい場合は、別途自分でACアダプターを用意する必要があります。
opove M3 Goの定格は5V/2Aとなっており、一般的な定格なので、ACアダプターの入手に困ることはないかと思います。但し、ACアダプターの定格は、ACアダプターごとに結構異なるもので、異なる定格のものを使用すると、充電できなかったり、故障の原因となったりするため、注意しましょう。
opove M3 Goにも使えるACアダプターとしては、以下のような商品があります。
⑻ 数値によるバッテリー残量の把握
バッテリー残量は、下部にあるLED点灯で確認することができます。
上記写真のように、opove M3 Goのバッテリー残量は数字で表示されるため、数値で残量を把握でき、充電のタイミングを把握しやすいです。ただし、数値の表示は10ごとなので、詳細な残量を把握することはできません(99→90→80...といった具合に減っていきます。)。
なお、上記の画像で、1つ青く点灯している点は、点灯している数に応じて現在の振動レベルを表しています。
⑼ 2つの安全機能が実装されていること
① 電源ボタンを長押ししないと電源がONにならない
マッサージガン(筋膜リリースガン)は強く振動する器具なので、意図しないタイミングで作動すると、付近の物を破壊したり、怪我してしまったり、マッサージガン本体が振動により移動して落下するなどの危険があります。opove M3 Goは電源ボタンを長押ししないと電源がONにならないようになっているため、誤作動の心配がありません。
② 過熱保護の自動電源OFF
opove M3 Goは本体が熱くなりすぎることを防ぐため、使い始めてから15分経過すると自動的に電源がOFFになるようになっています。
また、マッサージガン(筋膜リリースガン)の振動は強力なため、長時間当てすぎると、逆効果になります。つまり、必要以上にマッサージガンを当ててしまうと、筋肉が傷ついてしまったり、場合によっては内出血や皮がめくれてしまうなどの危険性があります。
一般的にマッサージガンを使用する場合、同一箇所への連続使用時間は数十秒程度で十分だといわれており、opove M3 Goは一度の使用時間は10分以内、同一箇所への連続使用時間は1分以内を目安に使用する旨が説明書に記載されています。
15分で自動的に電源がOFFになることで、過熱保護のみならず、過度の使用を防止することにも役立っています。
実際に自動的に電源がOFFになるか試してみましたが、15分と10秒くらいで電源がOFFになりました。
⑽ 十分な耐圧力
耐圧力とは、何㎏までの力を加えても問題ないかの指標を表しており、それ以上の力を加えるとマッサージガンが正常に動作しなかったり止まってしまうことがあります。
そのため、耐圧力が低いと、強く押し込むことができず、深部まで圧を加えることが難しくなります。コンパクトなサイズのマッサージガンは、コンパクトなサイズゆえに耐圧力が低い傾向にあり、少し強く押し当てただけで簡単に止まってしまう機種もあります。
このように、耐圧力はマッサージガン(筋膜リリースガン)選びにおいて重要な要素なのですが、耐圧力の表記がないマッサージガン多く、マッサージガンのマッサージガンのサイズや重量にあわせて相応の耐圧力があるという前提で商品を選ぶしかありません。そのため、耐圧力の記載があるのは、自身にあったマッサージガンを選ぶ上では、それ自体メリットと言えるでしょう。
opove M3 Goは耐圧力14㎏となっており、14㎏の力まで加圧可能です。加圧時にマッサージガンの上に14㎏のものを載せながら加圧しても問題ないということであり、十分加圧できることがわかると思います。
また、他機種との比較では、パワーを重視したモデルとして最高峰のTheragunシリーズは、パワーを重視しているだけあり、いずれのモデルも耐圧力が表記されています。
Theragunシリーズは、ミドルレンジのモデルを1機種、本格モデルを3機種出していますが、ミドルレンジのモデルであるTheragun miniで、耐圧力9kg、本格モデルの一番下のレンジであるTheragun Primeで耐圧力13kgとなっています。
これらと比較するとopove M3 Goの耐圧力14㎏が十分に優れた性能であることがわかるかと思います。
⑾ 種類豊富なアタッチメント
opove M3 Goには6種類のアタッチメントが付属しています。HYPER VOLT GOは2種類、MYTREX REBIVEは5種類なので、opove M3 Goのアタッチメント種類が豊富であることがわかります。
種類が豊富なので、使用する部位によって適切なアタッチメントや好みのアタッチメントを取り付けることができます。
マッサージガン(筋膜リリースガン)は、アタッチメントの形状によって、刺激の加わり方が大きく変わってきます。部位や好みによる選択が可能になるため、アタッチメントの種類が多いことは大きなメリットといえるでしょう。
特に、マッサージガンは、実際に使用してみてはじめてわかる部分も多く、かつ、継続して使用することでより良い設定が見つかったりするため、アタッチメントの種類が豊富なのは試すことのできる幅が広がるため、その点でもメリットといえます。
筆者もまだまだ色々と試しているのですが、その日の疲労感や痛みなどによって同じ部位でもアタッチメントを変更して使っています。うまく好みのアタッチメントを見つけられると、爽快感があります。
また、opove M3 Goのアタッチメント交換は、アタッチメントを装着する際は、装着部分に向かって時計回りに回しながら押し込み、逆にアタッチメントを外す場合は、装着部分に向かって反時計回りに回しながら引き抜くだけなので、非常に簡単に着脱できます。また、交換する際に特に力はいらないので、その意味でも簡単に付け替えが可能です。
⑿ 専用ケースが付属
opove M3 Goには専用の収納ケースが付属しています。
opove M3 Goはコンパクトなサイズなため、そのまま持ち運んでも、あまり邪魔にはなりませんが、マッサージガンは精密機械なので、そのまま持ち運ぶことに抵抗のある方もいるかと思います。
また、アタッチメントの種類も多く、バラバラに持っていくと紛失してしまう可能性もあります。
専用ケースにまとめて収納できると、アタッチメントの紛失もしづらく、本体もクッション性のあるケースで保護して持ち運ぶことができます。また、普段の収納でも、一式まとまっていると所在がわかりやすいです。
ケースは、opoveと書かれている面はちょっとかためな感触で、その他横や下の面は少しやわらかめな印象です。
収納ケースには上部に取手がついているため、持ち運びもしやすいです。
一式が収納された状態の重量は実測993gです。軽いとは言えませんが、1㎏を切っているので、持ち運びしやすい重量でしょう。
旅行・出張やスポーツ合宿などにも持っていきやすいサイズと重量といえるでしょう。
⒀ 保証付きと複数の問い合わせ窓口
opove M3 Goには購入から1年間の保証があります。
電子機器には自然故障の可能性があるものです。特に、マッサージガンは、振動による負荷がかかるものなので、個体差による故障はどうしても排除しきれません。
opove M3 Goはリーズナブルな価格とはいえ、1万円を超える商品なので、メーカー保証が1年あるというのは大きなメリットといえるでしょう。
説明書に記載されている「無料修理規定」を満たしている場合は、購入日から1年間無料で修理を受けられます。
ただ、説明書には以下の記載があるため、一般家庭用以外の用途での使用を検討している方は注意が必要です。
ただし、一般家庭用以外(例えば業務用など)に使用された場合は、保証期間内でも「有償」とさせていただきます。
また、保証の対象は本体のみで、アタッチメント、USBコード、収納ケースなどは保証の対象外となっています。
ただ、opoveに問い合わせて確認したところ、本体以外は有償での対応は可能であり、また、アタッチメントはアタッチメントセットが別売りされているので、本体以外が故障した場合でも、買い替えることなく使用を続けることは可能です。
保証やその他問い合わせ窓口は、Web、LINE、メールでの問い合わせとなります。
受付時間は10:00~19:00(土日・祝日・夏季休暇・年末年始を除く)です。
opoveに確認したところ、海外法人のため電話の問い合わせ窓口は設けていないとのことでしたので、問い合わせたい場合は、上記問い合わせ窓口に連絡しましょう。
4. opove M3 Goの気になるポイント
⑴ 背中側に押し当てづらい
opove M3 Goは本体がコンパクトサイズなため、基本的に自分の手が届かないところにはマッサージガンを押し当てることができないと考えた方がいいでしょう。当てること自体はできますが、強く押し当てるのは難しいと思った方がいいでしょう。
そのため、手の届きにくい背中側はかなり押し当てづらいです。筆者の場合、腰周辺は問題なくできましたが、肩甲骨周辺はうまくできませんでした。
もっとも、自分ではなく、他の人にやってもらったり、マッサージガンの主な使用箇所が肩・腰・下半身などであれば、問題にはならないでしょう。
⑵ やや持ちづらい
マッサージガンは振動が手にも強く伝わってくるため、使用する際にはマッサージガンをしっかりと持つ必要がありますが、opove M3 Goは本体がコンパクトなサイズなため、グリップ部分が小さめです。
そのため、グリップ部分を握るような持ち方では持ちづらく、持ち方を少々工夫する必要があると感じました。
写真のように銃身を人差し指(場合によっては中指も)で挟み込む様な形で持つと使いやすいです。
ツルツルサラサラするような手触りで、また、持ち手がゴムになっているわけではないため、少し滑りやすいと感じます。
特に、手汗をかいていると少し滑るので、運動後に使用する場合は、しっかりと手の汗を拭いてから使用したほうがいいかもしれません。
ただ、持つ場所の自由度は比較的高く、加圧部分に対して垂直に押さえつけることができる場所を持つことができるため、押し当てやすい持ち方をできるという点ではメリットともいえるでしょう。
⑶ ボタンの位置が押しにくい
opove M3 Goの振動レベルを変更するボタンは本体の下側についています。
そのため、マッサージガンを持っている手では押しづらく、マッサージガンを押し当てながらの振動レベルの調整はしづらいと感じました。一応、小指で押せなくもないですが、押しにくいです。
押し当てている最中に振動レベルを変更すると、身体やマッサージガンに余計な負荷がかかってしまうなどの理由で、そもそもマッサージガンを押し当てながらの振動レベルの変更が想定された設計になっていない可能性もあるのですが、振動レベルを変更するためにいちいち身体から離して変更するのは少々手間であると感じました。
一方で、使用しながら押しにくいということは、使用中に誤操作で振動数が変わってしまう事故が起きにくいともいえるため、その点ではメリットともいえます。
⑷ 収納時に特定のアタッチメントを装着しなければならない
opove M3 Goの収納ケースは、平形のアタッチメントを装着したまま収納するように作られています。
そのため、平形以外のアタッチメントを装着している場合は、一度そのアタッチメントを外したうえで、平形のアタッチメントを装着してから収納する必要があります。
付け替え自体は簡単なので、そこまで手間というわけではありませんが、専用ケースに収納して保管する使い方の場合は、毎回平形のアタッチメント以外を使用した場合には、付け替えて収納しなければいけないため、面倒に感じます。
もっとも、opove M3 Goはコンパクトなサイズのマッサージガンであり、本体が自立するため、専用ケースに収納せずに棚等に立てて保管しても邪魔にはなりにくく、日常的に使用するのであれば、専用ケースに収納する場面は意外と少ないので、そこまで大きなデメリットというわけでもないと思います。
⑸ ACアダプターが付属していない
opove M3 Goには充電ケーブルは付属していますが、ACアダプターが付属していません。そのため、コンセントから充電したい場合は、自分でACアダプターを用意する必要があります。
もっとも、受電ケーブルはUSB-C(本体側)とUSB-A(給電側)であり、汎用性の高い端子のため、ACアダプターをすでに持っている方も多いでしょうし、同時に購入してしまえば解決できる問題です。
opove M3 Goにも使用できるACアダプターは、以下のようなものがあります。
⑹ バッテリー交換ができない
opove M3 Goはバッテリーの交換は不可となっています。
もっとも、マッサージガンはバッテリー交換できないものがほとんどであり、HYPER VOLT GOとMYTREX REBIVEもできません。
説明書によると、opove M3 Goのバッテリーは、フル充電サイクルを500回繰り返したときに、本来容量の最大80%を維持できるように設定されているとのことです。
opove M3 Goは稼働時間が長く、稼働時間が長い分、充電が必要な回数も減ることになるので、バッテリー交換ができなくても、十分長く使っていけるでしょう。
それでもバッテリー交換にこだわるのであれば、バッテリー交換が可能な同社のopove M3 Proのようないわゆるプロやアスリート向けのマッサージガンの購入を検討するのもいいでしょう。
⑺ 充電中は使用できない
opove M3 Goは、安全のため充電中は電源がONにならないように設計されています。
そのため、充電しながら使用することはできないので、あらかじめ充電しておく必要があります。
もっとも、他のマッサージガンも基本的に充電中は使用できないようになっているため、opove M3 Go特有のものではなく、マッサージガンという製品の性質といえます。
マッサージガンは身体の色々な箇所に使うため、充電しながら使用できるようにするためには、かなり長い充電ケーブルが必要になってしまいます。また、充電ケーブルが絡まったり、振動部分に挟まってしまうなどの危険があるため、充電中は使用できない仕様になっているものと思われます。
opove M3 Goはバッテリーの残量表示がわかりやすく、充電のタイミングは把握しやすいので、充電中に使用できなくて困ることはあまりないのではないかと思います。
5. opove M3 Goに関する総評
opove M3 Goは、もっとも有名なマッサージガン(筋膜リリースガン)であるHYPER VOLTシリーズのHYPER VOLT GO(618g)や創通メディカルのMYTREX REBIVE(680g)などと比較しても、十分に高性能かつバランスの取れたモデルであり、14,900円(税込)という価格を考慮すれば、ずばり「買い」と言えるでしょう。
opove M3 Goは、コンパクトでありながら、振動数の調整幅やアタッチメントの振幅が広いマッサージガンであり、その機能や価格を踏まえると、家庭用のマッサージガンとして導入を検討している方や、安価な本格モデルを探しているアスリートの方などにお勧めです。
商品の耐久性については、新商品ということもあり、確認しにくい部分がありますが、opoveは、opove M3 Proという人気商品を販売している実績のある企業であることや、1年間の保証もついているので、あまり心配する必要はないのではないかと思います。
筆者が実際に実機を触った感じでは、しっかりとした作りであり、壊れやすそうな物という印象は受けませんでした。また、2日に1回程度、3~5部位、一日あたり5~10分程度の使用ではありますが、1ヶ月間使用したところでは破損等はありません。
6. この記事の結び
opove M3 Goは、非常にバランスの取れたリーズナブルなミドルレンジのモデルです。
マッサージガン(筋膜リリースガン)には、よりコンパクトなモデルや、本格モデルもあり、価格帯や機能も様々です。opove M3 Goは、「迷ったらこれ」と言える商品の一つと言えますが、より自分に適したモデルを探したい方は、本格モデルや軽量モデル、ミドルレンジのモデルもあわせて多数紹介しているので、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。