今話題のビジネスインクジェットプリンターの選び方と、おすすめ11選をご紹介します。エプソンビジネスインクジェット複合機、キャノンビジネスインクジェット複合機、ブラザービジネスインクジェットプリンターを徹底して比較します。
1. ビジネスインクジェットプリンターとは?
ビジネスインクジェットプリンターは、インクジェットプリンターでありながら、従来のインクジェットプリンターと異なり、ビジネス向けの特性を備えたプリンターです。言い換えれば、従来のインクジェットプリンターと、レーザープリンターの中間的な性質を持つプリンターです。
従来の家庭向けインクジェットプリンターでは、染料インクを使用してきましたが、ビジネスインクジェットプリンターでは、顔料インクを使用することで、以下のようなメリットを実現しています。
① ランニングコストが低い
ビジネスインクジェットプリンターの特筆すべき点は、そのランニングコストの安さです。家庭用インクジェットプリンター、レーザープリンターのどちらと比較しても、圧倒的なランニングコストの安さを誇ります。
レーザープリンターだと、モノクロ1枚当たり3円から4円なのに対し、ビジネスインクジェットプリンターだと、モノクロ1枚当たり0.5円程度のコストしかかかりません。
ランニングコストを特に重視する場合、ビジネスインクジェットプリンター一択と言えます。
② 印刷スピードが速い
従来の家庭用インクジェットプリンターは、印刷スピードが非常に遅く、とてもビジネス向けに使用することはできませんでした。そのため、ビジネス向けには、1分あたり20枚から30枚程度の印刷スピードを誇るレーザープリンターが使用されてきました。
ビジネスインクジェットプリンターでは、レーザープリンターには及ばないものの、ビジネス向けとしても十分使用に耐えうる印刷スピードを実現しています。
プリンターの種類ごとの印刷スピード
従来の家庭用インクジェットプリンター:数枚~10枚程度/分
ビジネスインクジェットプリンター :15枚~20枚程度/分
レーザープリンター :20枚~30枚程度/分
③ コンパクトで軽量な本体
レーザープリンターは、その仕組み上、軽い機種でも15㎏以上と、非常に重く、また本体サイズが大きいため、プリンターのスペースを十分とれるオフィスなどを中心に導入され、家庭でレーザープリンターを導入するのは厳しい状況にありました。
ビジネスインクジェットプリンターは、「インクジェットプリンター」であり、その仕組み上、コンパクトさを実現することができ、高機能な機種でも10㎏未満の機種が多く取り揃えられています。
家庭用インクジェットプリンターと比べると、やや大きいものの、家庭でも十分置くことのできるコンパクトさを実現しているといえます。
特に、複合機となると、レーザープリンターはかなり大型となってしまうため、家庭に設置するには、ビジネスインクジェットプリンター一択となるでしょう。
④ 印刷物の耐水性の向上
従来の家庭用インクジェットプリンターでは、染料インクを使用しており、上からマーカーをひくと滲むなど、ビジネス向けにはやや使いにくいものでした。ビジネスインクジェットプリンターでは、顔料インクを使用することで、レーザープリンターには劣るものの、耐水性を上昇させ、ビジネス向けにも耐えうる水準となっています。
⑤ 大容量インクタンク
従来の家庭用インクジェットプリンターでは、数百枚から1000枚程度でインクの交換が必要であったため、大量の印刷をする場合、インク交換の頻度が高くなり、手間のかかるプリンターとなってしまっていました。これに対し、ビジネスインクジェットプリンターでは、ビジネス向けを考慮し、大容量のインクタンクを備えた機種が多数出されています。機種にもよりますが、一度の補充で6000枚から8000枚程度印刷が可能となります。
ビジネスインクジェットプリンターのメリット
①インク交換の頻度が低い
②1枚当たりの印刷コストが低く抑えられる
ビジネスインクジェットプリンターの中間的な部分
①印刷スピード
②水に対する強さ、滲みにくさ
③本体サイズ
ビジネスインクジェットプリンターのデメリット
①本体価格が高い
2. 主要メーカーと選び方のポイント
⑴ 主要メーカー
ビジネスインクジェットプリンターは、Epsonが先駆け的存在であり、Canonがそれに次ぐ存在となっています。
⑵ 選び方のポイント
在宅ワークで使用するプリンターという視点で見ると、①サイズ・重量、②ランニングコスト、③印刷スピード、④給紙容量、⑤対応用紙サイズ、⑥両面印刷の可否、⑦耐久性、⑧複合機か否かなど選ぶ際に重要となってきます。
ビジネスインクジェットプリンターでは、その特性である、①サイズ・重量、②ランニングコスト、③印刷スピードあたりが特に重要と言えるでしょう。一般に、大きく重くなるほど性能は良くなるので、どのあたりが落としどころかを考える必要があるでしょう。
3. 性能早見表
※ 拡大表示してご参照ください。拡大表示しても見にくい場合は、こちらのリンクをご参照下さい。
※ 印刷スピードは、ISO基準の測定方法に則った「ipm」が使用されているケースと、メーカー独自の測定方法に則った「ppm」が使用されているケースがありますが、早見表では区別していません。
4. Step-pediaのおススメ
第1位 Epson EW-M630TB/TW
ビジネスインクジェットプリンターの最高峰の機種と言えるでしょう。重量5.8㎏と軽量かつコンパクトなボディであるにもかかわらず、印刷スピードはモノクロで1分あたり15枚、カラーで1分あたり8枚と、レーザープリンターには劣るものの、かなり優秀な水準を誇っています。さらに、印刷コストは、モノクロで1枚当たり0.4円、カラーで1枚当たり1円と、圧倒的に低コストである点が魅力的です。自動両面印刷対応、スキャナー付きと、オールマイティな機種と言えるでしょう。「エコタンク」搭載モデルであり、インクタンクが大きいため、インクの補充の手間もかなり軽減されます。
第2位 Canon G6030
重量8.1kgと、家庭用にも十分導入できる軽量さ、コンパクトさを実現しつつ、印刷スピードは、モノクロで1分あたり13枚、カラーで1分あたり6.8枚と高速です。また、印刷コストも、モノクロで1枚当たり0.5円、カラーで1枚当たり1円と、圧倒的に低コストです。自動両面印刷に対応した複合機で、機能面は文句なしと言えるでしょう。「特大容量タンク」搭載モデルであり、インクタンクが大きいため、インクの補充の手間もかなり軽減されます。
第3位 Epson PX-M730F
重量8.9㎏と軽量かつコンパクトでありながら、スキャナー機能に加え、FAX機能まで搭載している驚きの製品です。印刷スピードも、モノクロ印刷で1分あたり21枚、カラー印刷で1分あたり11枚とレーザープリンターに迫るほどの早さを実現しています。印刷コストは、モノクロ1枚当たり3.6円、カラー1枚当たり10.5円と、ビジネスインクジェットプリンターの中ではやや高いですが、モノクロ印刷はレーザープリンターの一般的な水準、カラー印刷はレーザープリンターの約半額程度にはおさまっており、ランニングコストを特に重視する方でない限り、許容範囲の水準と言えるでしょう。FAX機能を含めオールマイティな機能を有するコンパクトな複合機がほしい方には打ってつけの製品です。
多少ランニングコストを犠牲にしても印刷スピードを重視したい方には、Epson PX-M730Fが、多少印刷スピードを犠牲にしても、ランニングコストを重視したい方には、Canon G7030が、それぞれおすすめです。
第4位 Canon G7030
重量8.9㎏と軽量かつコンパクトでありながら、スキャナー機能に加え、FAX機能まで搭載している驚きの製品です。印刷コストは、モノクロ1枚当たり0.4円、カラー1枚当たり1円と、ビジネスインクジェットプリンターの中でもトップクラスの安さです。印刷スピードは、モノクロ印刷で1分あたり13枚、カラー印刷で1分あたり6.8枚と、ビジネスインクジェットプリンターの中ではやや遅い速度と言えますが、印刷スピードを特に重視する方でない限り、許容範囲の水準と言えるでしょう。FAX機能を含めオールマイティな機能を有するコンパクトな複合機がほしい方には打ってつけの製品です。
多少印刷スピードを犠牲にしても、ランニングコストを重視したい方には、Canon G7030が、多少ランニングコストを犠牲にしても印刷スピードを重視したい方には、Epson PX-M730Fが、それぞれおすすめです。
第5位 Canon G3360
とにかくコンパクトな複合機がほしい、という方におすすめです。両面非対応である点がやや何点ですが、その分Canon G6030に近い水準の機能をよりコンパクトなサイズで実現しています。自動両面が必須ではなく、コンパクトな複合機が欲しい場合は特におすすめの製品と言えます。
第6位 Canon G1310
とにかくコンパクトなプリンターがほしい!という方におすすめです。両面非対応である点がやや難点ですが、その分Canon G6030、Canon G3360に近い水準の機能を更にコンパクトなサイズで実現しています。自動両面が必須ではなく、スキャナーも不要という場合で、コンパクトさを追求したい場合は特におすすめです。
第7位 Epson PX-M270T
モノクロ印刷に絞ることで、6.4㎏と軽量なボディで、1分あたり20枚というレーザープリンターに迫る水準の印刷スピードを実現しています。印刷コストも、モノクロ1枚あたり0.5円と、トップクラスの安さを実現しています。カラー印刷が不要で、高機能な複合機がほしい方におすすめです。
第8位 Canon GM4030
モノクロ印刷に絞ることで、9.2㎏と比較的軽量なボディで、1分あたり13枚という比較的高い水準の印刷スピードを実現しています。印刷コストも、モノクロ1枚あたり0.4円と、トップクラスの安さを実現しています。
第9位 Epson PX-M160T
カラー印刷及び自動両面印刷が不要で、高機能な複合機がほしい方におすすめです。モノクロ印刷で、1分あたり15枚という高い水準の印刷スピードを実現しながらも、6.2kgという軽量さを実現しています。印刷コストも、モノクロ1枚あたり0.5円と、トップクラスの安さを実現しています。
第10位 Canon GM2030
カラー印刷及びスキャナーが不要で、高機能なプリンターがほしいという方にはおすすめの製品です。モノクロ印刷で、1分あたり13枚という高い水準の印刷スピードを実現しながらも、6.0kgという軽量さを実現しています。印刷コストも、モノクロ1枚あたり0.4円と、トップクラスの安さを実現しています。
第11位 Brother DCP-J988N
カラー印刷にも対応し、自動両面印刷にも対応した複合機で、オールマイティなモデルです。他のビジネスインクジェットプリンターと比べると機能面でやや全体的に劣りますが、いずれも合格ラインと言える水準です。
5. この記事の結び
コンパクトではあるものの、文書印刷には使いにくかった従来のインクジェットプリンターと、文書印刷に向いているものの本体サイズが大きかったレーザープリンターの、中間的な性質を有するプリンターとして、「これを欲していた!」という方も多いのではないでしょうか。
本体価格はそれなりに高いものの、耐久性もあり、なによりランニングコストが群を抜いて低いため、かなり使い勝手の良いプリンターになるものと思います。
レーザープリンターと比較してみたい、という方は以下の記事を参照してみてください。
また、家庭にも何とか導入できるレーザープリンターを探したい、という方は以下の記事を参照してみてください。
また、その他の在宅関係グッズについて以下の記事で紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。