YouTubeを始めてみると、視聴数を稼ぐのがいかに大変かということがわかります。
今回は、視聴数を稼ぐうえで重要とされる「関連動画」について、YouTubeの公式情報を根拠として、全5回にわたって、徹底的に考察してみました。
関連動画とは?
YouTubeは、視聴者に新しい動画を見てもらうために、多数の工夫を施しており、その一つが、関連動画です。
関連動画は、ある動画を視聴している者に対して、次に見たくなると予測される動画を提案することで、新たな動画視聴につなげることを目的とするもので、次に見たくなると予測される動画として提案される動画を、関連動画と言います。
関連動画は、パソコンの場合は、視聴中の動画の右側に表示され、スマートフォンの場合には、視聴中の動画の下側に表示されます。
それぞれ、動画の視聴を中断することなく、確認できるようになってます。
パソコンの場合
スマートフォンの場合
皆さんも動画の視聴を終えた際、この関連動画に表示されている動画をクリックして次の動画を視聴した経験があるかと思います。
私自身、動画を視聴→関連動画をクリック→また別の関連動画をクリック…といった具合に、ついつい動画を見てしまって、気づけば結構な時間が経っているなんてこともあります。
このように、関連動画に表示されるというのは視聴者を稼ぐ大きなチャンスになります。
特に、視聴数の多い動画の関連動画に表示されれば、一気に多数の視聴を稼ぐ、ということも夢ではありません。
関連動画に表示されるにはどうしたらよいのか?
では、この関連動画に表示されるにはどうしたらよいのでしょうか。
この点を考えるうえで重要になってくるのが、「関連動画がどのように選ばれているのか」の仕組みを理解することです。
言い換えれば、関連動画の選定の「アルゴリズム(動画を選別する基準のようなもの)」を理解することが大切となります。
そこで、「関連動画に表示されるにはどうしたらよいのか」を、関連動画に関するアルゴリズムの基本的な部分から紐解いていきましょう。
関連動画に関するアルゴリズムの基本
(1)アルゴリズムは公表されていない
YouTubeのアルゴリズムは公表されていないため、正確なところはわからないのが実情です。いきなり出鼻をくじくようですが、まずはこの点をしっかり認識する必要があります。
つまり、関連動画に表示させる方法を紹介するブログや、YouTubeの動画は多数ありますが、アルゴリズムが公表されていない以上、その真偽を確かめることは難しいのです。
そして、これらのブログや動画などの情報は、根拠がよくわからないものも多数あるのが実情です。
しかも、あるブログの記事を参考にして他のブログがかかれていたり、動画が作成されていたりするので、複数のブログや動画で同じことを言っているからと言って、それが正しい情報とは限りません。
そこで、これらの情報をあまり鵜呑みにせず、何が効果的か、ということを自分なりに考えてみることが必要になるわけです。
(2)アルゴリズムは日々変化している
YouTubeのアルゴリズムは日々更新されています。
YouTubeは、動画再生数・再生時間を増やすために日々企業努力をしており、YouTubeに蓄積される膨大なデータをもとに最善の策を常に模索しています。
例えば、とあるアルゴリズムのもとに関連動画を表示したところ、「質の低い関連動画が混ざりこむことが多くなった」となれば、こうした質の低い動画を排除できるアルゴリズムに変更するでしょうし、ある時代に有効に機能していたアルゴリズムが、時代の変化とともに有効に機能しなくなれば、アルゴリズムを変更することになるでしょう。
「何が最善か」に関する答えは、誰も知りえないことであり、それはYouTubeにとっても同様です。そのため、YouTubeは、最善のアルゴリズムを追及すべく、日々企業努力しているのです。
つまり、「関連動画に表示させるために何をすればよいのか」も日々変更される可能性があるため、ブログや動画などでこうした情報を調べる際は、①根拠があるのか、②納得できるのか、③いつの時点の情報か、という点に注意してみると良いでしょう。
(3)YouTubeが視聴者に何を見せたいかという視点
そして、これが一番大切な部分ですが、「アルゴリズムはYouTubeが作っている」ということです。
つまり、関連動画のアルゴリズムは、YouTubeが視聴者に見てもらいたいと思っている動画を、視聴者に対して適切に表示できるように日々改善されているわけです。
言い換えれば、YouTubeは、
①どのような動画を視聴者に提案するべきか
②その動画を表示するためにどのような仕組み(アルゴリズム)にするべきか
という点を日々研究しているのです。
そのため、関連動画に表示させる方法を考察するためには、YouTubeの視点に立って、①②を考えることが極めて重要なのです。
YouTubeが視聴者に提案したい動画とは何か -①の視点
(1)視聴者が次に見たくなると予測される動画が表示される(関連性)
YouTubeにとって最も身近な顧客は、今まさに動画を見てくれている視聴者であり、YouTubeは、この視聴者にどうやって動画を売り込むかを考えます。
つまり、ある動画の視聴者が、「次に見たくなると予測される動画」は何かを考え、それを適切に示すことができれば、その視聴者をYouTubeに留めておけることになるのです。
YouTubeは、クリエイター向けにYouTubeCreatorAcademyを運営し、クリエイター向けに情報発信を行っており、次のような説明がなされています。
YouTube のシステムは、それぞれの視聴者に適していると思われる動画を提示します。
関連動画のセクションには、視聴者個人のこれまでのアクティビティに基づいて、次に見たくなると予測される動画が表示されます。
YouTube では、視聴者が好むコンテンツがより頻繁に表示されます。実験することを恐れる必要はありませんが、よく考えて慎重に実施しましょう。視聴者からのフィードバックに耳を傾け、調整には時間をかけましょう。
このように、YouTubeは、視聴者が好む動画、次に見たくなると予測される動画を、視聴者に提案できるように、仕組みを作っています。
ここでのポイントは、「まさに今ある動画を見ているその視聴者」に対する提案であるということであり、「その視聴者が」次に見たくなると予測される動画を視聴者に提案できるよう仕組みが作られているということです。
標語的に言い換えれば、「関連性」と表現できるかと思います。
例えば、お笑い好きの人にとって大人気の動画も、ホラー好きの人には見たいとは思わない動画になるかもしれません(視聴者との関連性)。
また、お笑い好きの人にとって大人気の動画も、お笑い好きの人が真面目な動画を見ている時には、見たいとは思わない動画になるかもしれません(動画との関連性)。
(2)視聴者が見て良かったと思うことが予測される動画が表示される(動画の質)
そして、YouTubeは、次の動画を見てもらうだけではなく、その動画を長く見てもらいたい、更にその次の動画を見てもらいたい、さらに長期的には、YouTubeを好きになってもらいたい、と考えるはずです。
つまり、気になる動画をクリックしてみても、それがつまらないものばかりだったら、動画を視聴するのをやめてしまいますし、その次も「きっとつまらない」という推定が働くため、次の次の動画につながりません。
お勧めされる動画がつまらないものばかりだと、「YouTubeはつまらない」と思われてしまうリスクもあるわけです。
そのため、YouTubeは、視聴者にとって「良い動画」「見て良かったと思ってもらえる動画」を示したい、と思うわけです。
ここでのポイントは、関連性の点はもちろん重要ではあるものの、およそ誰にとってもつまらない動画があり、YouTubeは、そのような動画は誰にもおすすめしようと思わない、ということです。
例えば、100人中100人が「つまらない」と考える動画は、「およそ誰にとってもつまらない動画」と評価せざるを得ません。
これに対して、100人中90人が「つまらない」と考えているものの、10人が「面白い」と考えている動画であれば、一定の人には「良い動画」「見て良かったと思ってもらえる動画」だろう、という評価が可能になります。
標語的に言い換えれば、「動画の質」と表現できるかと思います。
この記事のむすび
以上、今回は、YouTubeがどのような動画を好むのか(①の視点)、というところまで見てきました。次回は、YouTubeがどのように提案したい動画を特定するのか(②の視点)を解説していきます。
今回説明した①の視点を踏まえて、②の視点を知ることで、「関連動画に表示させる」具体的なテクニックが見えてくるはずです。
第二回の記事は以下のリンクからご覧ください。