YouTuberとして活動していると、「エンゲージメント」という言葉をよく耳にするかと思います。この「エンゲージメント」は、YouTubeが重要視しており、YouTuberとして成功するためには押さえるべきキーワードと言えます。
この記事では、「エンゲージメント」の意味について、解説していきます。
Engagementの英単語の意味を知ろう
engagement
(対象・分野を理解するための)関与、参加、取り組み
出典:ジーニアス英和辞典第5版、株式会社大修館書店、2014年12月25日より引用
engagementには様々な意味がありますが、YouTubeやSNS上で用いられるengagementに最も近い和訳は、上記の関与、参加、取り組みという意味かと思います。
コアのイメージとして、上記の英単語の意味を押さえておきましょう。
Googleサービス上の定義
では、YouTubeを含むGoogleサービスにおいては、どのような意味で用いられているのでしょうか?
残念ながらYouTubeのヘルプには、エンゲージメントの定義に関する記載はありませんが、Googleの他のサービスである、Google Analyticsのヘルプには、以下のような定義が記載されています。
エンゲージメント: 定義
サイトやアプリに対するユーザーの操作です。
出典:アナリティクスヘルプ
そして、具体例として、次のような例が示されています。
コンテンツ配信者の場合は、ページを下方向にゆっくりスクロールするといった操作がエンゲージメントになります。ユーザーが記事の長さを確認するためではなく、内容を読むためにスクロールしていることを示すエンゲージメントです。
e コマースサイトの場合は、商品の詳細ページを閲覧する、特定のページに一定時間留まるといった操作がエンゲージメントになります。
オンライン バンキング アプリの場合は、口座の残高確認などです。
大学のサイトの場合は、情報動画の視聴などがエンゲージメントになります。
出典:アナリティクスヘルプ
これをYouTubeに置き換えると、チャンネルに対するユーザーの操作、動画に対するユーザーの操作といった意味になるものと思います。
YouTubeにおけるエンゲージメントの意味
⑴ YouTuber側の視点
では、YouTube上ではどのように使われているのでしょうか。まずは、YouTuber側から見るエンゲージメントについて確認していきましょう。
YouTubeが提供する動画のアナリティクスには、エンゲージメントという項目が存在します。
この項目を見ると、以下の通り、総再生時間、平均視聴時間、視聴者維持に関する重要なシーン、人気の動画、終了画面で人気の動画、上位の再生リスト、人気の終了画面要素の種類、上位のカードを確認することができます。
なお、動画が一度も再生されていない場合は、以下の画像のように[視聴者維持に関する重要なシーン]は表示されません。
また、YouTubeでは、虚偽のエンゲージメントに関するポリシーが定められており、エンゲージメントに関し、以下のような記載があるほか、同ポリシー内では、チャンネル登録や、動画の共有についても言及されており、こられもエンゲージメントに含まれるものと考えられます。
エンゲージメント(視聴回数、高評価数、コメントなど)
収益化システムに関する説明においても、エンゲージメントについて言及されており、「コメントや高評価、動画全体が視聴されたかどうかなど」が具体例として挙げられています。
視聴者のエンゲージメント。YouTube のシステムは、視聴者のエンゲージメントもスキャンします。つまり、コメントや高評価、動画全体が視聴されたかどうかなどが確認されます。また、視聴者が視聴した他のコンテンツについても考慮されます。なお、その後 YouTube のシステムは収益化に対して別の評価を行うことがあり、動画の収益化ステータスが変更される可能性があります。
以上のことから、YouTubeにおけるエンゲージメントとは、YouTube上のチャンネルや動画に対する視聴者の関心度を示す一切の指標と言うことができます。そして、視聴者の関心度を示す具体的な指標としては、以下のものが挙げられます。
【チャンネルのエンゲージメント】
・チャンネルページを閲覧する
・チャンネルページから動画を視聴する
・チャンネルページから再生リストを起動する
・チャンネルページのコミュニティを閲覧・コメントする
・チャンネルページの概要を閲覧する
・チャンネル登録する、など
【動画のエンゲージメント】
・視聴者が動画を視聴する
・視聴者の動画視聴維持率
・視聴者が動画に高評価をつける
・視聴者が動画を他の人に共有する
・視聴者が動画にコメントする
・視聴者がチャンネル登録する
・視聴者が動画を再生リストに追加する、など
⑵ 広告主側の視点
YouTubeで動画を視聴したことのある方ならご存知かと思いますが、YouTube広告の中には、YouTube上の動画自体を宣伝しているものがあります。
YouTubeは、この動画広告の広告主に対して、広告の効果に関する報告を行っており、その報告内容として、「エンゲージメント」が挙げられています。
エンゲージメントに関する指標:
・エンゲージメント - カードを展開表示するためのティーザーやアイコンなど、動画広告上のインタラクティブ要素がクリックされた回数(これらのクリックはユーザーをウェブサイトや外部のリンク先に誘導しません)。
・エンゲージメント率 - 広告で発生したエンゲージメント数を広告の表示回数で割った値。
YouTube のエンゲージメント: 動画広告を視聴したユーザーが YouTube で関連する操作を行ったときに発生する獲得アクション数。獲得アクション数には次の種類があります。
・広告視聴後の動画視聴数 - YouTube ユーザーが YouTube チャンネルまたは動画再生ページでそれ以降の動画を視聴した回数。ユーザーが同じ動画をもう一度再生した場合も、チャンネルの別の動画を再生した場合も、カウントされます。
・動画視聴後のチャンネル登録者数 - 広告主様のチャンネルを登録したユーザーの数。YouTube チャンネルのコンテンツとチャンネル アバターは YouTube のホームページに表示されるので、この獲得アクション数はユニーク値になります。
このように、広告主の視点からは、より広告目的に特化した形で使用されています。
エンゲージメントの重要性
YouTubeCreatorAcademyにおいて、エンゲージメントは、関連動画の選別において、重要な要素であると明言されています。
関連動画に表示されるか否かは、動画視聴数を増やす上で極めて重要なことであり、YouTuberにとってエンゲージメントが重要であることがわかります。
“関連動画は、視聴者のエンゲージメントを最大限に引き出すことができるようにランク付けされています。”
また、先ほども述べた通りですが、YouTubeの収益化システム(アルゴリズム)においても、エンゲージメントは重要視されており、収益を目的に動画投稿を行っているYouTuberにとっては極めて重要な要素であることがわかります。
コンテンツに対して広告を有効にすると、YouTube のシステムは次の 2 つの内容をスキャンします。
視聴者のエンゲージメント。YouTube のシステムは、視聴者のエンゲージメントもスキャンします。つまり、コメントや高評価、動画全体が視聴されたかどうかなどが確認されます。また、視聴者が視聴した他のコンテンツについても考慮されます。なお、その後 YouTube のシステムは収益化に対して別の評価を行うことがあり、動画の収益化ステータスが変更される可能性があります。
この記事のむすび
以上のとおり、「エンゲージメント」は、使用する場面によって、意味が変わるものなので、「エンゲージメント」という用語が用いられているときは、この点をおさえ、混乱しないようにしましょう。
YouTuberとしては、広く「視聴者の関心度を示す一切の指標」と押さえておくと思います。
特に重要なのは、「視聴回数、高評価数、コメント」などであると思われますが、その他のデータについてもアンテナを張っておくことが重要です。