こんな疑問を持ったことはありませんか?
・これって「なりすまし」被害かも?どんな場合がなりすまし?
・他のYouTubeチャンネルに似た名称があるけど名称を変えるべき?
・有名人と同姓同名だと、本名を使えないの?
今回は、「なりすまし」に関するYouTube上の取り扱いについて説明します。
- 「なりすまし」は規約違反
- 禁止対象には「チャンネルのなりすまし」も含まれる
- 適用対象はYouTubeサービスのすべて
- 最悪の場合はチャンネル削除
- どんな場合に「なりすまし」とみなされる?
- 有名人と同姓同名の場合は本名を使えない?
YouTubeでは、「なりすましに関するポリシー」が定められています。(以下、2020年5月時点の「なりすましに関するポリシー」より引用しています。)
「なりすまし」は規約違反
「なりすまし」は、以下の規定により禁止されています。
他人や他のチャンネルになりすますことを目的としたコンテンツは、YouTube で許可されていません。
禁止対象には「チャンネルのなりすまし」も含まれる
そして、「なりすまし」には、個人のなりすましだけでなく、チャンネルのなりすましも含まれます。
チャンネルのなりすまし: 他人のチャンネルであるかのように見せかける方法でそのチャンネルのプロフィール、背景、または全体的なデザインをコピーしたチャンネル。別のチャンネルをコピーするという意図が明確であれば、チャンネルが完全に同一でなくてもこれに該当します。
個人のなりすまし: 他人が投稿しているように見せることを意図したコンテンツ。
したがって、
× YouTuberのAさんが、知人Bさんのふりをして、YouTubeチャンネルを開設した
× YouTuberのAさんが、有名人Cさんのふりをして、YouTubeチャンネルを開設した
× YouTuberのAさんが、YouTuberのDさんのチャンネルであるかのように見せかけるようなYouTubeチャンネルを開設した
といった事例は、すべて規約違反となります。
適用対象はYouTubeサービスのすべて
なりすましに関するポリシーは、YouTubeサービスすべてについて適用されるものと思われます。
このポリシーは、動画、動画の説明、コメント、ライブ配信などの YouTube のサービスや機能に適用されます。なお、このリストがすべてを網羅しているわけではありません。
最悪の場合はチャンネル削除
なりすましに関するポリシーには、次のように定められています。
コンテンツがこのポリシーに違反している場合は、そのコンテンツを削除し、その旨をメールで通知します。初めてのコミュニティ ガイドライン違反の場合、事前警告を受けるだけで、チャンネルが罰せられることはありません。2 回目以降の場合はチャンネルに対して違反警告が発行されます。違反警告を 3 回受けると、そのチャンネルは停止されます。
なりすましと認められるコンテンツは削除され、最悪の場合には、チャンネル削除に至ります。
どんな場合に「なりすまし」とみなされる?
なりすましの具体例として、以下のような事例が禁止されています。
別のチャンネルと同じ名前と画像を持つチャンネルで、違いが、名前にスペースが挿入されているか、文字「O」がゼロに置き換えられているだけの場合。
他人の本名、ユーザー名、画像、その他の個人情報を使用して、本人であるかのように見せかける。
チャンネルの説明が別のチャンネルのものと完全に一致している。
他人の名前と画像を使用してチャンネルを設定し、その人物がコンテンツをチャンネルに投稿していると装う。
他人の名前と画像を使用してチャンネルを設定し、その人物が行っているように見せかけて他のチャンネルにコメントを投稿する。
「ファンのアカウント」だと主張しているが、実際には他人のチャンネルを装い、そのチャンネルのコンテンツを再アップロードしているチャンネル。
このように、完全に一致する場合だけでなく、一部が置き換えられている場合も含むものとしており、また、「見せかけて」「装い」など、混同の恐れが生ずるような場合を広く念頭に置いているものと思われます。
これに加えて、
これらはほんの一例です。このポリシーに違反する可能性があると思われる場合はコンテンツを投稿しないでください。
と規定され、「ほんの一例」であることが強調されています。
これらの規定を踏まえると、チャンネル名や、動画タイトル、説明欄等を総合的に考慮して、「他人が行っている」又は「他のチャンネル」と混同されるような動画又はチャンネルは、「なりすましに関するポリシー」に違反するものと考えてよいでしょう。
また、動画の傾向や内容も判断要素に含まれる可能性があると思われます。
有名人と同姓同名の場合は本名を使えない?
本名については、同姓同名の人は当然存在しますし、チャンネル名についても、チャンネル名は文字数の制限があるため、どうしても類似のチャンネル名が出てきてしまうのは、やむを得ないといえるでしょう。
つまり、単に他のチャンネル名と類似していることや、他人の本名と一致することは、やむを得ないものであって、この点のみを捉えて「なりすまし」というべきではないと考えられます。
なりすましに関するポリシーにおいても、以下のとおり、チャンネルのなりすましの具体例では、「同じ画像」であることを指摘しており、また、他人へのなりすましについては「画像、その他の個人情報を使用して」いることを指摘しています。
別のチャンネルと同じ名前と画像を持つチャンネルで、違いが、名前にスペースが挿入されているか、文字「O」がゼロに置き換えられているだけの場合。
他人の本名、ユーザー名、画像、その他の個人情報を使用して、本人であるかのように見せかける。
つまり、チャンネル名が類似しているにとどまる場合や、他人の本名と同一の名前を使用しているにとどまる場合は、禁止例として挙げていないのです。
これらの点から、YouTubeは、チャンネル名が他チャンネルと類似している点や、有名人と氏名が同じである点のみをとらえて、「なりすまし」認定をしようとはしていないものと考えられます。
したがって、類似のチャンネル名が存在する場合でも、チャンネル名を変える必要はなく、また、有名人と名前が同じである場合などでも、本名の使用を避ける必要はないといえます。
なお、上記で説明しているのは、あくまでもYouTube上の規約です。
YouTubeサービスにおいて、動画の削除や、チャンネル削除等のペナルティを受けた場合でも、別途法的責任を負う可能性は十分あります。
なりすましを行った場合の法的責任やなりすまし被害にあった場合のとるべき措置については、別の記事にまとめる予定です。